熱中症熱中症警戒アラートと暑さ指数(WBGT)

熱中症を予防するためには、危険な暑さであることに早めに気付くことが重要です。発表される情報に注意し、運動の中止、水分・塩分を補給するといった対策を講じましょう。

目次

熱中症警戒アラートとは

熱中症警戒アラートは、危険な暑さが予想される場合に、「暑さ」への気づきをうながし熱中症への警戒を呼びかけるものです。

熱中症を引き起こす暑さは、気温だけが要因ではありません。湿度や、地面や建物からの輻射熱(ふくしゃねつ)など周辺の熱環境とも深く関係しています。たとえば、同じ気温でも、湿度が高い場所のほうが、熱中症にかかりやすくなります。湿度が高いと、汗が蒸発しにくく、体内に熱がこもりやすくなるためです。

そこで、気温だけでなく、湿度や輻射熱を取り入れた指標を用いて、熱中症への注意喚起を行う試みが「熱中症警戒アラート」です。

熱中症警戒アラートは、いつ、どこで発表される?

アラートは、熱中症の危険性が極めて高くなる日の暑さに「気づく」ために、各都道府県内のどこかの地点で暑さ指数の予測値が33以上になった場合に、前日の17時頃及び当日の5時頃に対象都道府県等に対して発表されます。
気象庁と環境省のウェブサイトで発表されるほか、天気予報などと同じように、気象庁から報道機関や民間気象事業者、地方自治体に伝えられ、テレビやラジオ、各種天気予報サイト、防災無線等でアラートの情報を受け取ることができます。

暑さ指数(WBGT)とは

暑さ指数(WBGT(湿球黒球温度):Wet Bulb Globe Temperature)は、熱中症を予防することを目的として1954年にアメリカで提案された指標です。 単位は気温と同じ摂氏度(℃)で示されますが、その値は気温とは異なります。暑さ指数(WBGT)は人体と外気との熱のやりとり(熱収支)に着目した指標で、人体の熱収支に与える影響の大きい ①湿度、 ②日射・輻射(ふくしゃ)など周辺の熱環境、 ③気温の3つを取り入れた指標です。

日常生活に関する指針

[温度基準:危険(WBGT31以上)]注意すべき生活活動の目安:すべての生活活動でおこる危険性。注意事項:高齢者においては安静状態でも発生する危険性が大きい。外出はなるべく避け、涼しい室内に移動する。[温度基準:厳重警戒(WBGT28~31)※1]注意すべき生活活動の目安:すべての生活活動でおこる危険性。注意事項:外出時は炎天下を避け、室内では室温の上昇に注意する。[温度基準:警戒(WBGT25~28)※2]注意すべき生活活動の目安:中等度以上の生活活動でおこる危険性。注意事項:運動や激しい作業をする際は定期的に充分に休息を取り入れる。[温度基準:注意(25未満)]注意すべき生活活動の目安:強い生活活動でおこる危険性。注意事項:一般に危険性は少ないが激しい運動や重労働時には発生する危険性がある。

運動に関する指針

気温(参考)が35℃以上では暑さ指数(WBGT)は31以上。熱中症予防運動指針は運動は原則中止。特別の場合以外は運動を中止する。特に子どもの場合には中止すべき。気温(参考)が31~35℃では暑さ指数(WBGT)は28~31。熱中症予防運動指針は厳重警戒(激しい運動は中止)。熱中症の危険性が高いので、激しい運動や持久走など体温が上昇しやすい運動は避ける。10~20分おきに休憩をとり水分・塩分の補給を行う。暑さに弱い人※は運動を軽減または中止。気温(参考)が28~31℃では暑さ指数(WBGT)は25~28。熱中症予防運動指針は警戒(積極的に休憩)。熱中症の危険が増すので、積極的に休憩をとり適宜、水分・塩分を補給する。激しい運動では、30分おきくらいに休憩をとる。気温(参考)が24~28℃では暑さ指数(WBGT)は21~25。熱中症予防運動指針は注意(積極的に水分補給)。熱中症による死亡事故が発生する可能性がある。熱中症の兆候に注意するとともに、運動の合間に積極的に水分・塩分を補給する。気温(参考)が24℃未満では暑さ指数(WBGT)は21未満。熱中症予防運動指針はほぼ安全(適宜水分補給)。通常は熱中症の危険は小さいが、適宜水分・塩分の補給は必要である。市民マラソンなどではこの条件でも熱中症が発生するので注意。※暑さに弱い人:体力の低い人、肥満の人や暑さに慣れていない人など

2022年04月11日公開

おすすめの記事
熱中症熱中症の応急処置
応急応急手当
応急心肺蘇生法

防災手帳についての免責事項

災害発生時には政府機関や各自治体の発表する情報にも注意を払い、必要に応じてすみやかに避難等を行ってください。必ず、他の情報と併せて状況を確認するようにお願いいたします。

本サービスでは情報の伝達に関しては万全を期しておりますが、その内容の正確性や完全性を保証するものではありません。情報は公開時のものであり、最新の情報とは異なる可能性がありますのでご注意ください。
また、本サービスに基づいて被ったいかなる損害についても、LINEヤフー株式会社および情報提供者は一切の責任を負いかねます。情報はご自身の判断と責任においてご利用いただきますようお願いいたします。

なお、本サービスで提供される情報の正確性や詳細情報などに関するお問い合わせには、LINEヤフー株式会社では一切お答えすることができません。ご了承ください。